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No.00743
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ムツーの国は今日も、雪が降っています。昨日も降っていました。
おうちから外へ出られなくなると困るので、おとうさんは雪かきをしています。
おかあさんはおうちで、編み物をしています。それは子供用のセーターでした。
「ぼんてん丸や!こっちにおいで。ぼんてん丸ったら。あら?」
わんぱく坊主のぼんてん丸は、いつのまにか外へ出て遊んでいました。
おうちでじっとすることが苦手な子だったのです。
「しょうがないわね。まっ、そのうちにおなかが空いたら帰ってくるでしょ。」
おかあさんは晩御飯の用意をすることにしました。今夜は牛タンです。
「ふうっ、とりあえず玄関の周りは終わったぞ。おい、風呂は沸いてるか?」
雪かきは重労働です。おとうさんは汗びっしょりになりました。
「お風呂は沸かしておきましたよっ。それより、ぼんてん丸はいませんでした?」
「あれ?うちにいないのか?一緒に風呂へ入ろうと思ったんだけどなァ。」
裏庭に雪が高く積まれていて、その上にぼんてん丸が寝ているではありませんか。
「ぼんてん丸。ここにいたのか。何をやってるんだ、いったい?」
見上げると、屋根の雪が半分ありません。どうやらぼんてん丸は一人で屋根に登り、
雪下ろしをしていたようです。そして、下ろした雪の上に落ちたみたいでした。
「ぼんてん丸。ややや。これは、いかん。ひどい熱だ。」
気を失った、ぼんてん丸を抱きかかえて入ってきたのを見て、おかあさんは急いで
医者を呼びに走りました。おとうさんは服を脱がし、汗を拭き取って寝かせます。
「ううむ。これは疱瘡じゃな。助かるといいのぢゃが。」
「かあさん、もう泣くな。右目で済んだだけ、もうけ物ぢゃ。命があっただけでも。」
そんなことを物ともせず、ぼんてん丸はすくすくと育ちわんぱく振りは変わりません。
おしゃれな彼は、図画工作の時間に描く絵もちゃんと目を描いてくれ、と言いました。
正義感の強い、頭のいい彼は先輩たちにも可愛がってもらえました。
「おとうさん!俺、公務員になるよ。」
ぼんてん丸のことです。それなりの意志があるのでしょう。
「いいだろう。かあさん、ぼんてん丸のやりたいようにさせてやろうぢゃないか。」
「そうですね、おとうさん。わたしもそう思いますわ。」
ぼんてん丸は宮城県が一番、と考えていました。蔵王のお釜は絶景です。
松島も綺麗だし、牛タンもうまい。笹かまぼこも、ずんだ餅や萩の月も有名です。
ところが鹿児島県の友達は、さつま揚げが一番、と譲りません。確かに美味ですが。
そこでぼんてん丸は、日本中に宮城県の名物を伝えようと考えたのです。
県の採用試験を受け見事、採用されることになりました。
「ぼんてん丸より、むすび丸のほうがかわいいわ。」
東京の女性がつけてくださった名前を気に入り、今ではむすび丸に改名しています。
むすび丸は今日も、甲冑を着けたりハッピを着たり。そうそうスポーツバージョンも。
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あとがき
行政機関が観光周知を図る目的でキャラクターを使うことは、楽しいことと認識します。
滋賀県彦根市をご存じなくても「ひこにゃん」は人気者ですし、奈良の「せんとくん」も。
でも「ひこにゃん」のように意匠範囲でトラブルが起こるのは、残念に思います。
それなりの恩恵を被っている訳ですし、行政担当者には注意を怠らない対応を望みます。
最後まで、お読みいただきありがとうございました


